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もっとも早ければ、3年以内に「通貨の崩壊」という、中央銀行に与えられた宿命ともいえるミッションを完了することになる。

この記事は、「カレイドスコープのウェブマガジン」の最新記事のダイジェストです。
ダイジェストは全文の4分の1程度です。全文はウェブマガジンでお読みください。

世界の貧困化は1971年のブレトンウッズ体制の崩壊から始まった

<前半省略>

・・・米ドルの表面には、「Federal Reserve Note」の大きな文字が印刷されています。 
直訳すると「連邦準備券」という意味になります。

しかし、「note」の正確な意味が、法律文書に使われる金融専門用語では「負債」を示す言葉であることを知っている金融業界関係者が少ないことに驚くばかりです。

つまり、米ドルは「債務証券」、すなわち政府が国民から金を借りたことを記す「借用証書」のことなのです。

<中間省略>

・・・それでも、ニクソン・ショックを契機として金本位制の撤廃(ブレトンウッズ体制の崩壊)が宣言された1971年までは、ドルは金(ゴールド)と交換可能な兌換券として、その価値がしっかり担保されていました。

ドルの持つ購買力は「正貨」である金(ゴールド)によって裏打ちされていたので、インフレもデフレも政府と中央銀行によるコントロール可能な範囲内で収まっていたのです。

しかし、金本位制から切り離されたドルが「世界経済の拡大と歩調を合わせて」野放図、かつ無計画に印刷されるようになってからは、ドルと金(ゴールド)の価格の乖離が進んで、ドルの購買力が急激に低下していったのです。

ドルを準備通貨として使っている国の貧困化の元凶は、実はここにあるのです。

<以下省略>

金(ゴールド)こそが絶対価値を持つ「正貨」で、ドル、円は価値がゼロの幻の通貨

<省略>

・・・下のチャートは、過去100年の金(ゴールド)の値動き(青い線)と、ドルの購買力を大きく低下させた世界的なイベントです。(クリックで拡大)

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未だに本当の原因が分かっていない1929年のウォール街大暴落では、NYダウは最高値から10分の1にまで下落しました。
この日を境に、米国の株式市場から、2~3年をかけて90%の資金が逃げていったということです。

自分の持っている株式が10分の1になるなどと誰が信じられるでしょうか。
しかし、現実に起こったのです。

この時点では、金(ゴールド)とドルとは、ほぼペッグされていたので、株式市場が崩壊してもドルの購買力は、金(ゴールド)の「正貨」としての不変の価値によって支えられていました。

<中間省略>

・・・しかし、中央銀行システムを考案し、これを世界中の国々に押し付けながら、ドルの徹底破壊を計画していた国際金融勢力は、1971年のニクソン・ショックを演出して、ドルを無制限に印刷できるようにしたのです。

これもまた、ごくごく簡略化して説明しますが、一定数量の商品に対して、以前と比べて、より多くのドル紙幣が市中に流通するようになったのですから、見かけ上は、物価高に見えるようになります。

しかし、中央銀行であるFRBは、銀行の信用創造の力を借りて、同時にマネタリーベースを増やしながら、企業のマネーストックを増やしました。

企業は潤沢な資金を元手に設備投資や研究開発に集中し、米国の産業は世界一の競争力を持つに至ったのです。

この経済の好循環は順調で、雇用は増え、末端の労働者までトリクルダウンの恩恵にあやかることができたので、労働者たちは自分たちが中央銀行システムを発明した「1%」の金融エリートによって搾取される側の「99%」の被支配層に属する人間であることが自覚できなかったのです。

<省略>

・・・1971年の金本位制撤廃によるドルに対する不信感が、金(ゴールド)価格を押し上げ続け、1980年の最高値まで一気に駆け上がっていきました。

このとき、円建てでも1グラム6,945円の最高値を記録したのです。

当時のドル/円の為替は226円でしたから、1ドル分の金(ゴールド)を購入したければ、226円を支払わなければならなかったのですが、現在のドル・円は106円ですから、1ドル買うのに106円を支払えばいいということになります。

したがって、当時の為替を現在の為替で金(ゴールド)の価格を値付けするなら、2.13倍の価格である6,945円×2=13,890円になるのです。

<以下省略>

中国は、米国経済とドルの崩壊を50年前に確信していた

<前半省略>

・・・1971年8月の中国人民日報には、以下のように書かれています。

「これらの不人気な(金本位制撤廃という)措置は、米国の経済危機の深刻さと、資本主義システム全体の崩壊と衰退を反映している」・・・

中国人民日報の記事は続きます。

「ニクソンの新しい経済政策は、米国を金融および経済危機から解放することは決してできない。
この政策は、アメリカの労働者から金品を巻き上げ(搾取)、米国の金融および金融経済危機の悪化を他の国に移し替えることを意図している」・・・

まったくの真理です。
しかし、ドルが「Federal Reserve Note」であるということに思い至れば誰でも分かることです。

中国は、1971年の時点で米国の崩壊と資本主義全体の崩壊を確信しており、密かに金(ゴールド)の備蓄を始めたというわけです。

1971年の米国政府の負債は、現在の22兆ドルに対して、わずか4,000億ドルでしたから、半世紀で55倍に増加したことになります。
結果、ドルの購買力は金(ゴールド)に対して98%も失われてしまったのです。

それだけでなく、米ドル以外の多くの国々の通貨に対しても、ドルの購買力と価値は減価されていったのです。

たとえばスイスフランに対して、ドルの価値は1971年以来80%以上失われました。

<省略>

・・・大方の投資家は、ここのところの中国の米国に対する報復関税への動きを、「巨大な米国経済を背負いながらヒートアップする一方のトランプにとっては“焼石に水”にもならない。結局、米国の前に中国は屈服するだろう」と見ているようです。

しかし、CNBC(8月7日付)は、野村証券の松沢中チーフ・マクロ・ストラテジストの見解を取り上げて、別の見方を提示しています。

「世界中の投資家は、米中貿易戦争における勝敗の行方などより、さらに一歩進んで、加熱する貿易戦争の過程で、トランプ大統領が一期で終わる可能性が高くなると予想している。

多くの投資家は、中国がトランプ大統領の再選を防ぐために、中国が景気後退(したがって世界的な景気後退)を受け入れる用意があるという見解を表明している。
中国は、トランプの共和党ではなく、民主党政権ができることを期待しているのだ」と報じています。

いずれにしても、景気減速は世界的な現象です。

米国のGDPは、1971年には約1兆2000億ドルでしたが、現在は約20兆ドルです。

米国経済が50年かかって手に入れたもの・・・それは、政府の借金を55倍に増やしても、GDPは17倍しか増加しなかった、という悲しい現実です。

<中間省略>

・・・しかし、この悲劇に向き合わざるを得なくなっているのは米国だけではありません。

典型的な例が、アベノミクスによる日銀の異次元の量的金融緩和によって生み出された膨大な円が、日の目を見ることなく退蔵されたままで、これがハイパーインフレの起爆剤になってしまったことです。

住宅ローンを組むと返済額が減っていくデンマークの銀行

<前半省略>

・・・マイナス金利は、もちろん不合理な考え方であるにも関わらず、これを深堀りしようとしているということは、中央銀行がすでに経済を救おうとすることを放棄してしまったことを意味しているのです。

デンマークのユスケ(Jyske Bank)銀行では、住宅取得希望者がマイナス0.5%の金利で10年ローンを組むことが可能です。

つまり、「住宅ローン借りると金利がもらえる」のです。(ブルームバーグ 8月19日付) 

<中間省略>

・・・欧州中央銀行(ECB)の次期総裁が内定している国際通貨基金(IMF)専務理事のクリスティーヌ・ラガルドが言っているように、マイナス金利を拡大して(彼女は、そうするでしょう)住宅ローンの利率がマイナス25%になると奇跡的なことが起こります。

そう、住宅ローンを借りた住宅購入者には、銀行から与えられるマイナスの利回りによって、数年後にはローン残高がゼロになるのです!

つまり、最初の数年間だけ歯を食いしばってローンを返済していけば、あれよあれよという間にローンの元金が減っていってゼロになるということです。

「そんなことがあるわけがない」と思いたいでしょうが、理論的には、そうなるのです。

では、その利回りは誰の労働の対価によって補われるのでしょう?

かねてから言われていたように、マイナス金利の利息分は、銀行に口座を持っている預金者に、口座管理料や、その他のさまさざま手数料を課すことによって生み出されるのです。

<以下省略>

経済崩壊をもたらす不吉なイベントが10月に集中している

<前半省略>

・・・
パウエルは、「米国経済は有利な立場にある」(Economy is in a favorable place)と宣言しました。

その一方で、ブルームバーグ(8月23日付)が報じているように、パウエルは「利下げには重大なリスクを伴う」と警告しているのです。

まさに「米国経済は有利な立場にある」と正反対のことを言っているのですから、パウエルの精神状態は分裂気味になってしまったか、近い将来の米国経済をよほど憂いているということになります。

<中間省略>

・・・トランプは、現在、金利を最低でも100ベーシスポイント引き下げる必要があると強く主張しています。
1ベーシスペイントは0.01%ですから、FFレートを1%引き下げろ、と言っているのです。

余談を許さないトランプのことですから、断定は避けたいものの、この秋以降、米国の金利は大幅に低下し、急激にドルが他のすべての通貨に対して下落することは、限りなく確実に起こることでしょう。

日銀の黒田総裁も、7月22日に、「世界的な景気減速が国の回復を危うくする場合、景気刺激策を拡大することをためらわない」と明言しています。

このひと月前にも、ブルームバーグに同様のことを述べているので、むしろ黒田総裁の「公約」と捉えるべきで、日銀がトランプの利下げ強行のお膳立てをしていることを意味しているのです。

また、欧州中央銀行(ECB)総裁のドラギも、6月の時点で「7月から利下げの準備に取り掛かり、9月には実行する」ことを示唆しているので、特に7月に入ってから急激に悪化しているEUを慮って、ほぼ間違いなく利下げに踏み切るでしょう。

EUはドイツだけでなく、ユーロ圏全体の経済が劇的に弱体化しており、ドイツ銀行のCDSという爆弾を抱え込んでいる銀行システムの崩壊はドイツだけでなく、イタリア、フランス、ギリシャなどの不良銀行の崩壊と相乗して想像以上の大崩壊につながるでしょう。

6月の時点で、ドラギは何と言っていたでしょう。
来年(2020年)半ばまで金利は据え置く」と言っていたのです。

そして、すでにマイナス金利に踏み切った日銀と欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏み切るということは、どういうことなのでしょう?
マイナス金利の深堀り(拡大)を始める、ということです。

ドラギが、前言を翻して9月にも利下げを断行することに決めたのは、英国の「合意なきEU離脱が確定的となったから」と見ることができます。

その結果、前述したように、預金者に大きな負担が課せられることになります。

追い打ちをかけるようにして10月31日にEU離脱期限が迫っているブレグジットですが、7月24日に首相に就任したボリス・ジョンソンが、28日朝、なんと10月13日までの5週間にわたって議会を閉会してしまったのです。

10月31日以降の延期はありえないので、EU残留派の議員たちが「合意なき離脱」を阻止しようとする動きを封じ込めようとボリス・ジョンソンが一計を案じたということのようです。

さらに、これに呼応するかのように、自公政権による消費税10%の引き上げが確定的となったようです。
日本経済は、いよいよ窒息寸前となるでしょう。

また、8月18日、ドイツのショルツ財務相が、「経済危機に陥る場合、政府として500億ユーロ(約5兆9000億円)相当の追加支出が準備可能だと示唆した」ことも異例です。

さらに、8月19日、中国の中央銀行である中国人民銀行(PBOC)も、企業向けの金利を引き下げることを発表しました。

すべての中央銀行は表面上は落ちきを保っているかのように見せかけながら、実際の状況はパニックに陥っているのです。

<以下省略>

株式、債券、その他の資産の全崩壊が始まる

<省略>

・・・ほとんどの債券の利回りはすでにゼロ以下であり、この秋から、この傾向は加速するでしょう。

それほど遠くないある時点で、リスク・オフの資産の引き受け手としての長期の米国債がバブル化して長期金利の上昇をともなうようになるはずです。

したがって、金利上昇は最終的には短期国債にも波及するようになり、リスクの高さから国債の流動性の枯渇を招いて売買が停止する可能性も考えておく必要があります。

もし、こうした債券を組み込んでいるファンドがあるとすれば、実質的な「凍結」という最悪の事態に至ることも念頭に置いておく必要があります。

その時点で、中央銀行は金利のコントロールを完全に失い、とうとう世界は巨額の負債が雪崩のように崩れ落ちる大崩壊を指をくわえながら傍観するしかなくなるでしょう。

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債券の価値がなくなると、初期段階では金利が10%台に上昇し、これを誰も食い止めることができないと分かると、その後は制御できなくなった金利は放置されるに任せるしかなくなります。

1971年以来、金(ゴールド)はドルに対して44倍の値を付けています。

<省略>

・・・世界経済崩壊への脚本は、ニクソンから世界中の中央銀行に引き継がれており、今後3年以内、長くても6年以内に中央銀行は“公的な業務”を終えることになるでしょう。

つまり、「通貨の崩壊」という、中央銀行に与えられた宿命ともいえるミッションを完了するのです。

・・・悲しいことに、世界の投資家の99%は、彼らの富が数分の一、数十分の一になるまで、そのことに気付かないでしょう。

また、彼らは、どんな警告にも耳を傾けず、自分が信じたいことのみ信じるでしょう。

そして、ほとんどの投資家が市場からの退場を余儀なくされるのです。


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