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阪神淡路大震災が起こったとき、震源域の活断層の真上に建っていたのに、ほとんど無傷だった住宅があります。
また、東日本大震災のときも、周囲の家々はすべて津波で流されてしまったにも関わらず、一軒だけ残った住宅があります。

地震や津波に強い住宅とは、どこが違うのでしょう。


阪神淡路大震災で証明されたツー・バイ・フォー住宅の優れた耐震性

1995年(平成7年)1月17日
未明、阪神淡路大震災が起こりました。
このとき、大揺れの活断層のほぼ真上に建っていたにもかかわらず、まったくといっていいほど無傷だった住宅があります。

その住宅は、日本最古のツー・バイ・フォー(2×4)住宅でした。

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深江文化村にある日本最古のツー・バイ・フォー住宅「「冨永家住宅」

この住宅は、兵庫県神戸市東灘区にある「深江文化村」にあります。(地図)

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「深江文化村」とは、大正時代後期、理想とする住環境を創造するために資産家と医師、建築家吉村清太郎(元ヴォーリズ事務所)らが手を組んで芦屋川西岸に建設した西洋館街が、後に「深江文化村」と称されるようになったものです。

敷地面積は約3000坪で、中央に広大な芝生庭園が造られ、それを囲むように13軒の西洋館が配され、そこに9ヵ国13組の家族が居住していました。

当時、現在の芦屋市・神戸市東灘区周辺には欧米の音楽家が多数居住しており、深江文化村にロシア革命を逃れてきたルーチンやメッテルらが移り住んだことで、文化村とその南西に建設された長期滞在型オーベルジュ「文化ハウス」は、音楽による国際交流の場にもなってました。

その後、西洋館の多くは老朽化や阪神淡路大震災などで喪失し、現在、2軒(登録有形文化財)が現存しわずかに当時の面影を伝えています。
その内の一軒が、この「冨永家住宅」です。

この住宅は大正14年に米国から輸入された日本最古のツーバイフォー住宅で、現在も住居として使用されており、主屋と付属屋が国の登録有形文化財に登録されています。

(以上、「日本最古のツーバイフォー」より抜粋)

この住宅の周辺の家々は、半壊、全壊と住宅としては再起不能なまでに破壊されつくしましたが、「冨永家住宅」と、同じ深江文化村内にある、もう一軒の西洋風住宅だけは、ほぼ無傷。

「あれほど激しい上下動があったのに、なぜ?」と、当時の新聞数紙に取り上げられました。
理由は、この二つの住宅がツー・バイ・フォー工法で建てられた住宅だったからです。

ツー・バイ・フォー(2×4)住宅とは、世界共通の規格の下に作られたパネル(=木造枠組壁)を組み合わせて箱型にするもので、高い耐震性・耐火性・断熱性・気密性・防音性を備えている住宅です。

壁(パネル)なので、いってみれば、柱の集合体のような板を組み合わせるので、当然、耐震性には優れているはずなのです。

日本の家屋は、柱や梁で重い瓦の屋根を支え、風雨に耐えるように設計されています。(在来工法)

在来工法では、壁がなくても柱で支えるので風通しがよく、開放感に溢れています。
家も自然の一部、人も自然の一部であると考える日本の気候・風土や文化が育んだ工法です。

「冨永家住宅」が無傷であったことによって、ツー・バイ・フォー(2×4)住宅が間違いなく地震に強いことが証明されたので、各地の住宅建設会社は、アメリカからツー・バイ・フォーの建材を独自に輸入して「2×4欧風住宅」の建売を始めました。

ちょうど、1995年は為替が80円台だったので、それも追い風になりました。

日本では、ツー・バイ・フォー住宅は、耐震性だけでなく機密性・防音性にも優れているとされていますが、アメリカのワシントン州の建材屋から聞いた話では、各部屋ごとの防音性は高いが、家全体に音が鳴り響くようです。

たとえば、ドアをバタンと閉めると、空間にグワングワンと音が鳴り響くというように。
ただし、日本のツー・バイ・フォーは改良されているのかもしれません。

問題は機密性と密閉性。

日本の在来工法では隙間がたくさんあるので通気は良いのですが、ツー・バイ・フォーは壁の組み合わせなので、換気の点で日本式の住宅より劣ります。
意識的に換気をする必要があります。

地震に強い! こんなに揺れても大丈夫。


【関連記事】震災にも耐えたツーバイフォー


津波に耐えた家

東日本大震災後、津波で破壊された住宅や車などが撤去されると、ポツンと一軒だけ荒涼とした平地に佇む家がニュースの映像に映し出されています。

なぜ、その住宅だけ残ったのでしょう。



その秘密は、「ホールダン金物」と「床下工法」にあるようです。

上の動画にもあるように、ホールダン金物とは、柱と柱を強固に固定する金具のことで、2000年(平成12年)の建築基準法改正で、この工事が施工されるようになりました。

といっても、すべての住宅にホールダン金具を取り付けることが義務付けられているものではないため、2000年以降建てられたどんな住宅でも安心というものではないようです。

この動画の住宅を建てた建設会社は、防災に対する考え方がしっかりしていたのでしょう。

3m程度の津波の場合、明暗が分かれるのは、水の浮力によって家が基礎部分から浮き上がってしまい、そこに次々と押し寄せる波によって、家全体が流されてしまうかどうかということです。

宮城県のこの住宅も、しっかり基礎部分に上物が固定されていたため、津波に流されることはありませんでした。
この家は、「巨大津波でも残った戸建て『奇跡の床下工法』」という見出しで週刊誌に取り上げられています。

下の動画は、独立行政法人「防災化学技術研究所」が2005年に行った耐震実験の模様です。
E-ディフェンスの震動台の上に、実際の住宅を建てて実験したものです。

在来木造住宅震動台実験


この二棟は、1981年(昭和56年)の建築基準法改正前に立てられた家で、耐震補強工事を施された家と、そうでない家との耐震強度が、どれくらい違うか実験しています。

建築基準法は、巨大地震が起こるたびに改正され、その都度、耐震基準が厳しくなっています。

・1981年(昭和56年)5月
・2000年(平成12年)
・2004年(平成16年)

と、何度か改正されています。

【関連記事】戸建て住宅の耐震性は1981年と2000年が転換期

たとえば、2013年の今年中に、一戸建てにしてもマンションにしても、中古住宅を買いたいと物件を探して、築32年以上の住宅が気に入っても「買っちゃダメよ」ということです。

それは1981年の建築基準法改正前に建てられた、ゆるい耐震基準の危険な住宅だからです。

というか、地震が来れば倒壊して、家の下敷きになるかもしれない、ということです。

地震の少ない欧米の国では、築50年などと年月が経過していたほうが味わいがあると、かえって高値がつくこともありますが、地震が頻繁起こる日本の場合は、何よりも建築基準法改正の年を目安にする必要があります。

日本列島は大型の地震が発生する周期に入ったので、少なくとも2000年以降に建てられた住宅を購入するに限ります。

「この古民家が気に入ったから、耐震性に問題があっても妥協する」などと考えて、軽率な判断をしないほうが無難です。
くれぐれも、「1981年前のものでも自分で耐震工事をやればいい」などと素人考えはしないほうがいいです。

とにかく「海のそばには住まない」、「地歴を調べて(沼地だったところを埋め立てて住宅地にしたとか)地盤のしっかりしたところを選ぶ」、「建築基準法改正の年を基準にする」、「地震防災工事(ホールダン金物の取り付け工事など)が施してある建物を選ぶ」など、重要ポイントをひとつひとつ自分でチェックすることが大切です。

もし、1981年以前に建てられた住宅に住まなければならない事情ができたときは、何より防災金具などを柱に施行するなど、地震から自衛することが大切です。

地震は、この実験の震動台のように、地面が均等に動くわけではありません。
同じ一軒の土台でも、大きく動くポイントと、小さく動きポイントがあります。
実際はもっと複雑な動きをするはずですから、このとおりになるとは限りません。

できれば地震保険も。
火山噴火については、火災保険に組み込まれているか、組み込むことが可能な場合があるようです。
そちらのほうの点検も時間ができたときにぜひ。





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